ベルギー

2019.12.09

ベルギー体験旅②ブリュッセルから日帰り。中世の街ゲントへ

こんにちは。編集長のヒロイです。ベルギーならではのユニーク体験、2回目は、ブリュッセルから急行インターシティ(IC)で40分の古都ゲント(Ghent)へ。

サッカー好きなら、久保裕也が所属するベルギー1部リーグのサッカーチーム、KKKヘントのホームタウンといえば通りがいいかも。

タイムスリップして中世の街並みへ

古くは繊維産業で栄えた港町で、14~15世紀にはパリに次ぐヨーロッパ第二の都市として7万人が生活したという。今は大学の街として知られ、学生だけで7万人が通ってきているとか。
旅行者にとっては、それほど観光化されていないのが魅力で、中世の街並みが残る石畳の路地を歩けば、まさにタイムスリップ気分。

街歩きのスタートは、トラムと人が行き交う、活気あふれる旧市街の中心部、コーレンマルクトの広場から。
目の前にそびえたつゴシック様式の聖ニコラス教会の威容に散策への期待が高まる。

聖ニコラス教会を背にレイエ川のほとりに続く道に入る。
かつては港街だったというゲント、川沿いには中世の同業者組合の建物、ギルドハウスが立ち並ぶグラスレイを、往時の繁栄を感じながら歩く。

ここは15世紀に屋内肉市場だった建物。
当時は衛生面の理由から、街で肉を売られていたのはここだけだったとか。今はレストランや、ゲントの名産などを販売するショップになっているが、かつてを偲ばせる演出として、天井からは名産の生ハムの枝肉がぶら下がる。
船大工が作ったという建物は確かに巨大な船をひっくり返したかのよう。近くにはかつての魚市場の建物も残っていて、今は観光案内所に。

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老舗のフレッシュマスタードをおみやげにぜひ

近くにある老舗のマスタード屋さん「ティーレンティン・ヴェルレント(Vve Tierenteijn Verlent)」
店内でマスタードの粒をすりつぶしたフレッシュなマスタードは今回の旅のイチ押しみやげ。なめらかなものと粒のものがあり、小瓶で€3ちょいとリーズナブル。生ハムにたっぷりつけて食べれば至福。
ビネガーの利いたピクルスのマスタード和えも日本ではなかなかない味。冷蔵庫で保存すれば半年はおいしく食べられる。専用の木のスプーンも一緒に。

こちらは中世フランドル伯のお城。
牧歌的な街並みに突如現れる、いかにも強固な石の塊といった趣の城塞は800年前に他国の侵入を防ぐために建てられた。時は流れて1949年、当時の政府がビールの値上げを発表、それに反対した学生が立てこもったのが、防御に優れたこの城だったが、結局ビールの値段は下がらなかったのだとか。
城の内部は歩き回ることができ、中世の甲冑や拷問器具などを展示する博物館になっているので興味のある人は覗いてみては。

さらに川沿いのクラーンレイを歩く。
川幅が少し狭くなり、両側の建物はカラフル。可愛い中世な絵柄がほしい向きにはこのあたりがベストな撮影スポットかも。川岸の緑を入れてとってみて。

ちなみに運河をクルーズするボートツアーもある。
プランや人数によって料金は変わるが、温かい日ならベルギービールを飲みながら、なんてことも可能。

ゲント発祥の伝統菓子。その名もキュベルドン

クラーンレイの先にあるレトロなお菓子屋さん「テメルマン(Confiserie Temmerman)」では、ベルギーの伝統的な菓子キュベルドンをチェック。
フラマン語で“鼻”を意味するこのお菓子、一般には円錐だが、この店では顔の形。
ちょっと不気味なのも中世感ということで。少し硬めの砂糖の皮の中にはトロッとしたシロップがずっしり。かなりな甘さは好みが分かれるところですが、日本では見かけないこのお菓子、試すなら発祥の地と言われるゲントで。

テメルマンの前の路地を入り、レイエ川を渡って対岸へ。
金曜にマーケットが開かれる金曜広場を横切って、街歩きのハイライト、「鐘楼」「バーフ大聖堂」のある広場に向かう。道すがら次々と現れる石造りの建物を見て歩くだけで楽しめる。

細い路地を入ると…

両側に一面のグラフィティが!

じつは「ここだけは自由に描いてよし」の通称「グラフィティ通り」。
罰金を高くしても一向に効果がなかった落書きを解消する手立てとして、市長がこの通りをアーティストに開放することを決めたのだとか。

グラフィティでいっぱいになると塗りなおされる通りは、古都の映えスポットのひとつ。

ひときわ異彩を放つ市庁舎。15~18世紀に渡って増築を重ねたためゴシック、ルネサンス、バロックの様式が混在。

街を歩くと出会ういかにも中世な円柱の塔。これって何の役割があると思います?
見張り台? 倉庫? それとも牢屋?

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実はほとんどは何の役割もないんです、とガイドさん。
富の象徴として、隣よりも高く!を繰り返した結果なんだとか。ちなみに石造りという時点でそれは裕福な家で、庶民は木の家に住んでいました。

街のシンボル。世界遺産の鐘楼と大聖堂は必見

市庁舎を過ぎると、街のシンボルの鐘楼と聖バーフ教会の2大見どころが向かい合う広場に出る。
鐘楼の背後にはスタート地点のニコラス教会が控え、まさに荘厳。中世感もマックス!

高さ95mの鐘楼はエレベーターで昇ることができ、塔の上からはゲントの街が一望できる。
かつて鐘楼は見張り台として、この街の富を守ってきた。後に多数の鐘で旋律を演奏するカリヨンが設置され、今もその音色を聞くことができる。

カリヨンは巨大なオルゴールのような機械で演奏される。
突起が鐘とつながっているワイヤーを弾き、メロディーを奏でる。もはや鐘楼自体が巨大な楽器だ。
鐘楼は「ベルギーとフランスの鐘楼群」として世界遺産に登録されている。

バーフ大聖堂では、ベルギーで最も有名な絵画のひとつ、ヤン・ファン・アイク作の祭壇画『神秘の子羊』を見逃さないように(現在ゲント美術館で修復中。写真はレプリカを用いての解説)。
2020年6月には大聖堂の地下にビジターセンターがオープン予定。いまだ謎が多いといわれるこの名画をより詳しく知ることができる施設になるとのこと。

街を歩いて感じたのは、中世そのままの街並みが広範囲にわたって残されているにも関わらず、現代の生活が自然に営まれていること。
重厚な教会の脇をトラムが走り、スマホ片手の若い学生たちが街を闊歩する。現在進行形だから見どころも多く街歩きが楽しい。

ちなみにゲントは日本の古都金沢と姉妹都市。
どこか雰囲気の似ているこの二都市、街を歩いていて日本人を見かけることはほとんどなかったが、中世ヨーロッパへのタイムスリップ気分を味わいたいなら、今穴場なディスティネーションといえるだろう。

取材協力:ベルギー連邦政府

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